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神奈川鳥見さんぽ 冬の鳥を見に行こう

冬の鳥を見に行こう

キンクロハジロ (横浜市・こども自然公園) 金黒羽白と書き、金色の目、黒い身体、白い羽とそのまんまの名前。シベリアなどから冬に渡って来きます。集団でいることが多く、頭が大きめ? なのでカモとしてはかわいらしいカモ。

 

冬の鳥を見に行こう

冬の公園を歩いているとヒッヒッという鳴き声。杭にオレンジ色の鳥が止まっています。これはジョウビタキのオスですね。おしりを上下にふりながら杭から降りてはエサを取ってまた杭へ。
ジョウビタキは冬に来る鳥で人気者。こんな鳥が近くの公園で見られるのは冬であればこそ。冬は雑木林の葉が落ちて見通しがよくなるし、冬鳥がたくさん渡って来るのでバードウォッチングには最適な季節。ちょっと寒いけど、防寒対策をして鳥を探しに行ってみましょうか。

1の写真1

 

公園の鳥

神奈川県は山から湖、海と自然環境に恵まれ、都市部にも大きな公園が作られており多種の野鳥が生息しています。
まずは近くの公園を歩いてみましょう。
先ほどのジョウビタキはよく見られる冬鳥ですね。冬鳥ではないけれども人気があるのがルリビタキ。こちらは漂鳥と言って夏は高原で子育てをし、冬、平地に降りてきて越冬する鳥です。ジョウビタキと並んで人気があります。
公園を進むと嘴が黄色くネズミ色の鳥がいました。これはイカルです。ずんぐりしていてかわいらしい。
このほかにも留鳥であるエナガやヤマガラ、時にはセッカなど多くの鳥に出会えるので、公園を一周するだけでもバードウォッチングを満喫。

 

 

 

 

鳥の写真2

池の鳥

公園でたっぷりバードウォッチングをしたあとは池に行ってみます。神奈川県には大きなダム湖、公園の小さな池など多くの池や湖があります。
夏、池で見られるのはカルガモなど限られていますが、冬は多くの種類の水鳥が越冬に来ます。

黒くて目が金色の鳥がいました。その容姿の通りキンクロハジロというカモの一種でよく見かけ、愛嬌のある顔をしています。
同じようによく見かけるのはヒドリガモ、ホシハジロあたりでしょうか。いずれも集団で越冬し、わいわいがやがや、池は一気に賑やかになります。
運がいいとオシドリなども見られ、冬の池は楽しいですね。

海の鳥

公園、池と歩いてきたので海に出てみましょう。
海岸付近にはカモメがたくさん。嘴が赤、ほおの黒いのはユリカモメ。冬鳥ですね。よく見かけるウミネコに比べで小さくかわいらしいカモメです。横浜のみなとみらいあたりでもよく見かけます。
岩場を歩いているとまっ黒なサギ。これはクロサギで神奈川では冬鳥ではありませんが、三浦半島や大磯あたりの海岸で時折見ることが出来ます。
この他にもカンムリカイツブリやイソシギなどにも会えるので海岸歩きも楽しいし、開放感があって気持ちさわやか。

山麓の鳥

冬鳥と同じく山麓のハイキングコースや林道を歩きます。
これまでの冬鳥と入れ替わって見られるのはオオルリやクロツグミ。公園でも見ることが出来るキビタキはその辺を飛び交っていることもありますが、オオルリねらいの人には無視されてしまっています。もったいないね。道に沿って流れる渓流ではミソサザイやカワガラスなど。時に渡り途中と思われるコマドリに遭遇することもあって楽しい散策ができます。
ただし通行禁止の林道もあり、また土砂崩れや落石があるので、事前にこれらの情報を収集して出かけるようにしてください。
このように春から夏にかけても神奈川のあちこちできれいな夏鳥や留鳥の子育てが見られます。みなさまも麦わら帽子を被って夏鳥探索はいかがでしょうか。そしていつまでも神奈川でかわいらしい鳥たちが見られる環境が残って欲しいですね。

 

渡部 尚久 氏

 

プロフィール

渡部 尚久(わたべなおひさ)

元神奈川県立かながわ農業アカデミー校長
著書に「かわいいとり撮りさんぽ」アスコット、「かわいい もふもふエナガ」Amazonなど

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